#025:『経済は地理から学べ!』初めての一般書、執筆記録②

こんにちは。
代々木ゼミナール地理講師の宮路秀作です。

もうすでにご存じのことと思います。
2月17日(金)、わたくしが執筆した、人生初の一般書が発売されました

タイトルは、

『経済は地理から学べ!』(ダイヤモンド社)

です。

さて、今回は、「なぜ『経済は地理から学べ!』の執筆をすることとなったのか?」について、お話ししたいと思います。

よろしくお願いします。

当たり前ですが、本の執筆というのは出版社から依頼されます。
「俺に本を書かせろ-! 面白いの書くぞ、コラ-!」とコラコラ問答をしたところ、「あなた誰?」となって相手にされないのが落ちです。

まれに自費出版という形で、自分の著作物を売り込むことで発売まで至ることもあるようですが、これは一般的ではありません。

たとえば、「オリンピックで金メダルを獲った!」とか、「ツチノコ(いるのかな?)を発見した!」とか、はたまた「世界で初めて月面着陸をした!」とか、そういう突出した偉業を達成した人には、その業績を広く世間に広めるために依頼されることがあるかもしれません。

代々木ゼミナールで「サテライン放映される授業を担当することになった!(いわゆる『サテ講師』になる)」の経緯を本にしても、「一部のマニアには受けが良いだろうけど…」という認識で終わってしまう可能性が大きいです。

本を執筆する経緯は、大きく二つ。

紹介」と「直接依頼」ではないでしょうか。
前述の偉業達成者には「直接依頼」という形が多いと思います。

わたくしが初めて執筆した本は、参考書でした。
中経出版(現:KADOKAWA)から発売されました。

センター試験 要点はココだ! 地理B』(中経出版)

これは元々、中経出版から参考書を出していた代ゼミ講師の方に「紹介」してもらって依頼を頂きました。
自分の名前が載った本を出す、これは価値は小さいかもしれませんが「生きた証」です。

究極の自己満足です。

一度くらいは本を出したいな…、と漠然と思っていたところに、

みやじまんも、そろそろ本を出してみる? 出版社紹介するけど☆

というありがたいお誘いを頂きました。
紹介」ですね。

学研教育出版(現:学研プラス)から本を出したときも「紹介」によって繋いで頂きました。

高校地理をひとつひとつわかりやすく。』(学研教育出版)

 

実は、中経出版から依頼された企画があったのですが、これがボツになったことがありました。
その企画は、途中まで原稿を書いていたものですから、原稿が中に浮くわけです。
宙に浮いた原稿をどこからか本にできないものかと思案していたところに、「紹介」という形で声を掛けて頂いたのがきっかけでした。

2012年に原稿を出したのですが、未だに発売されていません…。
その本は、夏前までには出したいと編集者の回答をいただきました。

それとは別に頂いた企画が、『高校地理をひとつひとつわかりやすく。』でした。

さて、それでは本題です。

なぜ、『経済は地理から学べ!』を執筆することとなったのか?

お話ししましょう。

ご存じのことと思いますが、わたくしはtwitterのアカウントを持っています。

@miyajiman0621 ← 今すぐフォローしましょう☆

あるとき、フォロワーを見ると、ダイヤモンド社の編集者の方にフォローされているではありませんか。

ダイヤモンド社とは、『経済は地理から学べ!』の出版社です。

第一印象はこうでした。

なぜ!?

最近のビジネス書籍の有能な編集者は、「みな、ダイヤモンド社に移籍する!」と言われるほど、日本でもトップクラスの出版社です。

ビジネス!?

きっと、わたくしには無縁な世界だと思っていました。
そんな出版社の編集者からなぜフォローしていただいたのか!?

まず、色々と考える前にわたくしもフォローさせていただきました。
繋がっておけば、ひょっとして何か執筆のお仕事を頂けるかも(はぁと」などというイヤらしいことを考えてのことでした。

これは編集者ご本人にも伝えましたので、書いても大丈夫でしょう☆

というより、「無理だ」と思った瞬間から成長は期待できなくなるものです。
限界は自分で決めるものではなく、後で自ら知るものですから。

彼は、「中村さん(実)」といいます。
本名なので、(仮)ならぬ、(実)です。

中村さんがご担当された、『フリーランスのための一生仕事に困らない本』という書籍を買って読んだことがありまして、わたくしが「非常に勉強になった」という旨のことをDMで送ったのが始まりでした。
この本がきっかけで、わたくしはこうしてブログを書くようになりましたので、本当に為になる本でした。

実は中村さんは、わたくしの参考書を一冊買ってくださっていました。

日本一成績が上がる魔法の地理ノート』(KADOKAWA)

 

この本の中に、

地理とは地球上の理(ことわり)のことである

という言葉が出てきます。

別に、わたくしのオリジナルだとは思っていませんが、余所では見たことのない言葉です。

大学で「地理学」を修め、大学受験生に「地理」を教える身としては、「地理とは何ぞや!?」という問いに対する明確な答えは持っておきたいと常日頃より思っていました。

「地理って最高に面白い!」
「地理的思考力を完成させよう!」
「地理は暗記科目ではない!」

そんな言葉ばかりが、受験地理界隈で流布されていました。
正直、もうウンザリでした。

だって、「その言葉、すでに地理を選択した受験生にしか届いてないよ?」と思うからです。

内輪で盛り上がるだけでは、地理選択者は増えません。
実質増えていませんし、地理を使って受験できる大学も増えていません。

2012年度センター試験より、多くの国公立大学にて地歴・公民は「4単位科目のみ認める」というルール改正がなければ、未だに地理選択者は惨憺たる物であったと思うくらいです。

「地理とはなんぞや?」に対する明確な答え。

そこで、わたくしが「物理とは物の理」という言葉をヒントに創ってみたわけです。
すでに誰かがどこかで使っているかもしれませんが、余所では見たことのない言葉です。

大事なので二回言いました。

中村さんが、いわば「キャッチコピー」として、「地理とは地球上の理のことである」を気に入ってくださったとのことなのです。

中村さん曰く、「いつか、この著者の方と一緒にお仕事をできれば良いな」と思ってくださっていたそうです。
焼肉屋で肉を焼きながら伺った話なので、これは書いても大丈夫でしょう。

ということで、わたくしがダイヤモンド社の編集者と繋がったのは、「紹介」ではありません。
「twitter」でした。

twitter上で、「直接依頼」を頂いたのです。

「地理とは地球上の理のことである」というキャッチコピーを、「このメッセージを、ビジネスマンの教養として広く伝えたい」

と仰ってくださったのです。

最初は、『地図で学ぶ日本経済(仮)』という企画を頂きました。
その後、打ち合わせをしていくうちに、徐々に路線変更となり、『経済は地理から学べ!』に落ち着いたのです。

仕事ぶりって、どこで誰が見てくださっているのか、分からないものです。
本当に。

実は「本を書く」ということにおいて、もっとも難しいのは「その機会を得る」ことだと思います。
「俺の方が面白い本を書けるし!」とか、「この本、読むに値しないな」とか、「こいつ(著者)、何も分かってないな」といったことを、「実名ではない形」で発信する方がいらっしゃいますが、結局はそういった機会を得られない人たちです。

同じ土俵にないものを評価することは本当に難しいのです。
人が人を評価するのですから、究極に難易度が高いのは当然ですよね。

さて、次回は「執筆を初めてから、本が発売されるまでの経緯」について、お話ししたいと思います。

引き続き、拙著『経済は地理から学べ!』をよろしくお願いします。

▼『経済は地理から学べ!』(ダイヤモンド社)

https://www.diamond.co.jp/book/9784478068687.html
※ダイヤモンド社の拙著紹介ページに飛びます。

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