#017:小樽巡検 [イッテンヨン]

こんにちは!

代々木ゼミナール地理講師の宮路秀作です。

ただいま冬期講習の最終週です。
出講校舎は札幌校。

新潟校に始まった冬期講習は、本部校、名古屋校、そして今回の札幌校で最後です。

小樽に行ってきた

授業開始時間が15時30分からだったこともあり、それまでの空き時間を利用して小樽に行ってきました。

普段、札幌出講は毎週土曜日なのですが、日帰りだったこともあって、北海道の滞在が新千歳空港と代ゼミ札幌校との往復しかありませんでした。

良い機会と思って小樽を目指します。
さながら小樽巡検です☆

地形図はありませんので、国土交通省が作成している、

ウォっちず
watchizu.gsi.go.jp/

をタブレットで開き、それを見ながら小樽巡検です。

札幌駅から電車に揺られて約30分、到着しました小樽駅。

 

表札が渋いです。
右読みなので、結構古い時代に作られたものなのでしょうか。

小樽運河

目的は、二つ。

赤レンガ倉庫小樽ビール醸造所

駅の案内係に尋ねると、歩いて10分で行けるとのことなので、小雪が舞うなかてくてくと歩きました。

10分ほど歩くと目的の赤レンガ倉庫に到着。
その前に、小樽運河を一枚
この時点で赤レンガ倉庫が写っていますけどね。

小樽運河の起源は大正12年。
内陸を掘って作ったのではなく、沖合いを埋め立てることで作られたものです。

小樽は地理的位置から、北海道開拓の玄関口として発展。
多くの船が沖合いに停泊し、そこから艀(はしけ)を利用して荷揚げを行っていました。
取扱量が多くなってくると、直接倉庫まで行けるようにと作った水路が小樽運河です。

運河の全長は1140m、幅は20~40mとところどころ差があります。
これも掘り込み式ではないからこそですね。

散策路が設けられていて、63基のガス灯が設置されています。
夜にはライトアップされ、非常に雰囲気の良い景観となります。

運河沿いの石造倉庫は当時の姿がそのまま残されています
そこに商業施設が入っているのです。

小樽ビール

その中の一つに、小樽ビール醸造所があります。

▼小樽ビール
http://otarubeer.com/jp/

 

ここでは、小樽ビールの作り方を教えてくれます。
仕込み釜や発酵タンクを見せてくれますし、発酵前の麦汁の試飲もできます。

 

中央の仕込み釜は決してお店の飾りなどではなく、現役で稼働しているもの。
ここで仕込みが行われます。

お店には、3種類のビールがありました。
ピルスナー、ドンケル、ヴァイスです。

ピルスナーとは、ドイツ語で「ピルス」と呼ばれる種類のビール。
ドイツ国内で最も人気があるそうです。
我々が良く知っている(というか、良く呑んでいる)ビールというのは、ピルスナースタイルのビールです。

ピルスナーは、1842年に開発されたビールで、発祥はチェコのプルゼニュ。
かつてオーストリア帝国時代にピルゼンと呼ばれていたことから名付けられました。

ドンケルは、カラメル麦芽などの4種類の麦芽を使用して作ったもので、ドイツの伝統的な醸造方法で作られます。
ピルスナーと比べると、色が暗めです。

ヴァイスは、大麦ではなく、小麦を原料としたビールです。
一般的には、ヴァイツェンと呼ばれるもので、ドイツ語で「小麦」という意味です。
ドイツ南部のバイエルン地方で呑まれているビールです。

小樽ビール醸造所をあとにして、改めて赤レンガ倉庫を見にいきました。
実は、赤レンガ倉庫というのは、写真に写っている一棟だけなのです。

横浜みなとみらいにある赤レンガ倉庫のようなものをイメージしていましたが、実はそうではないようです。

散策路は雪が積もっていて、踏みしめるたびに「ばふっ! ばふっ!」と音がします。
この音、好きなんですよね。

生まれ育った鹿児島市なんて、年に1度雪が積もるかつもらないかといったところです。
南国人からすれば、新鮮です☆

一人で、「ばふっ! ばふっ!」とやってしまいました。

昼飯

そんなこんなしていると、昼飯の時間。
腹が減っては巡検はできぬ!」とばかりに、海鮮丼を食べたくて、目に入った看板のお店に入りました。

注文したのは親子丼。

 

サーモンといくらが所狭しと乗っています。

親と子が争う。
まるで武田信玄が、父・信虎を追放したような、骨肉の争いが繰り広げられています。
戦国時代のようなワンダーランドの様相を呈しています!

思わずプロレスの実況のようなことを書いてしまいました。
タイトルの「イッテンヨン」って、まさしくアレですから。

全体写真だけでは面白くないので、接写してみました。

ばーーーん!!!

 

どぉ~~ですか♪
美味そうでしょぉ~~~~?

いや、まぁ、うん、美味いんだけどね。

小樽駅まで戻る途中、キャンドル工房を見つけました。
小樽の倉庫群がデザインされたもので、片側が夏の景観、反対が冬の景観です。

キャンドルを炊くと、すごく幻想的で綺麗です。

お値段、1188円(内税88円)。
お買い得でした♪

巡検とは?

今回の巡検は、デジタル地形図を見ながらでした。
等高線を見ながら歩きますので、この先急斜面になりそうだとか、こっちの道を行くと近道になりそうだなど、観光マップとはまた違うものが見えてきます。

「『巡検』なんてたいそうな名前付けやがって、結局、ブラタモリごっこしただけだろ!?」

というお言葉が聞こえてきそうです!

でもね、ブラタモリそのものが「巡検」なんですよ。

自然と文化を双方から見て、客観的な関連性を見いだしていく。
これこそが、地理学なんですよ。

【宮路秀作】

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