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#022:馬産地は、なぜ日高なのか? [前編]

こんにちは。
代々木ゼミナール地理講師の宮路秀作です。

軽種馬」とは、乗用、もしくは移動のさいの畜力(馬車を引く馬など)として利用される馬のこと。
例えば、サラブレッドやアラブ種などが知られています。

サラブレッドとは競走用に改良された軽種馬のことで、競馬において走っている馬は基本的にサラブレッドです。
サラブレッドは両親がともにサラブレッドであり、父系を遡ると、かならずゴドルフィンアラビアン、バイアリーターク、ダーレーアラビアンの三頭の馬に行き着きます。

2016年、わが国で生まれたサラブレッドの数は6903頭。
そのうち北海道だけで6751頭、実に98%ものサラブレッドが北海道産です。
二桁以上の頭数を記録する道県は以下の通りです。

▼サラブレッドの地域別生産頭数(2016年)
北海道  6751頭
青森県   80頭
熊本県   21頭
鹿児島県  17頭
栃木県   13頭

如何に北海道が馬産地としての地位が高いか分かります。

北海道の中でも5453頭が日高(振興局)です。

北海道の中での、最大の馬産地は日高なのです。
日高は、襟裳岬から北西方向に位置する地域で、ここには多くの牧場が存在します。

さて、地理のお話。

みなさまは、牧場の地図記号をご存じでしょうか?

質問しておいて、申し訳ないのですが、「牧場」という名の地図記号は存在しません。
実は、牧場は、「記号を定めていない特定地区」という名前の地図記号に含まれています。

記号を定めていない特定地区

 

日高には、牧場を示す地図記号が至るところで確認できます。

2014年度北海道大学前期試験で出題された地形図の問題でも、この牧場をテーマにした問題がありました。

▼2014年度北海道大学前期試験 第1問より

問 地図中の真歌や東泊津などに点在する楕円形の記号は、農牧業における地図中の真歌や東泊津などに点在する楕円形の記号は,農牧業における特産に関連した土地利用を示す。その特産とは何であるか。また,その生産に有利となった自然的条件を説明せよ。なお,地形図の位置は下図に示す通りである。

「下図に示す通りである」という下りの「下図」とは次の図です。

地形図中の「真歌」や「東泊津」などに、楕円形の記号が点在するのが見えます。

ここでは軽種馬の生産が行われています。

なぜ、馬産地は日高が中心なのか?

この続きは後編でお話ししたいと思います。

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